半兵衛

桃色の超特急の半兵衛のレビュー・感想・評価

桃色の超特急(1961年製作の映画)
3.0
失踪した人気女性モデルの身代わりを探すよう頼まれた主人公がやっとそっくりな人を見つけたと思いきや、様々なトラブルに巻き込まれながらも目的地の大阪まで向かおうとするコメディ。肝心の主人公を演じる松原禄郎は滑舌が悪いしスターとしてのオーラもあまりなくて今一つ魅力的に見えないし物語も都合がよい荒唐無稽な展開ばかりだけれど、渡辺祐介監督のテンポのよい演出と出演者のコミカルな演技により奏でなれる軽快なリズムが心地よくて笑いはさほど起きないけれど気楽に鑑賞できた。

ヒロインを担当する大空眞弓は一人四役の意味はさほど無い(あの二つの役は大して要らなかったし)けれど、既に大女優のオーラの片鱗を覗かせ存在感をあらわしていた。あと酒は呑めないはずなのに酔っぱらい役を完璧に演じる丹波哲郎はやっぱ凄いわ。

単なるハッピーエンドではなく、主人公が人の力を借りず自分の手で幸せを掴むラストが心地よい。
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