寿マーガリン

スクール・オブ・ロックの寿マーガリンのレビュー・感想・評価

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)
4.0
ダメ男が放つ「肯定」の一撃、つおい。

ロクに働かない家賃滞納ポンコツおじさんが、エリート学生をロックの道に引きずり込んでコンテストで賞金を狙うというお話。

最高に笑ったし、泣いたし、めちゃくちゃ元気の出る一本でした。

「肯定される」って、10代の頃に済ませておくべき通過儀式だと私は思っていて、
親でも先生でも誰でもいいんだけど、大人に一言で良いから「お前はそのままんで最高なんだぜ」って言われておくことで、その後の人生が激変するような気がします。

勉強が出来ても、大人ぶって物分かりが良く見えても、子供は子供なりに思うことがあるわけで、
そういう本音を理解して、共に歩んでくれる大人ってなかなかいないですよね。

主人公はポンコツおじさんだけど、ロックを通して子供達の才能をフルに見出してくれます。
そして「お前、最高にクールだぜ!」と言うんです。

モテなくても、クラスで人気がなくても、太っていても…お前はお前のままで最高だぜ!と。

それこそ教育のなせる技。
真の意味で「教師」や…!!

有名なロックシンガーの曲をコピーするでもなく、己の反骨精神を歌にすると言う所もロックで良い。

ここで尾崎豊をコピーさせたり、
ボーンディスウェイをコピーさせても、
エミネムの映画を見せてもいいけど、
結果自分の表現を学べないからあんまり意味ない気がする。

やってみて、やらせて見せて、褒めてみせるから素晴らしいのよね、きっと。


こんなダメダメでまっすぐてハッピーな教師、私も幼い頃にいて欲しかったなぁ。

ハッピーエンドで、笑って泣いて、安心して観れる映画でした。