寿マーガリン

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYの寿マーガリンのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「女性が作った映画だ」とすぐに分かった。

こういう映画が観たかったんだ!!!!と思ったし、飛び込んだ映画館で1人、かぶりつきで観て号泣してしまった。

だって、男性がかけてくる「お前には男が必要だ、お前は1人では何にも出来ない」という呪いとか、女はこうあるべき、みたいな勝手な理想を、ハーレイが笑顔でぶっ壊してくれたから。

「バッカじゃない??」とキュートな笑顔と金属バットでいろんなものをなぎ倒して行く姿は、さながら2020年のジャンヌダルク。
しかも、誰かを助けてあげたいとかいう女神的な自己犠牲ではなくて、あくまでも「アタシはhappyに生きたいダケ!」っていう、当たり前の主張をしっかり持ってる所もすごく良い。

女だから女と手を組むし、手を取り合うよ。ネイルしてる時は牛乳パック開けてあげるし、「あんたのピタピタパンツのキック、イケてんね〜」と褒め称えたりもする。タコスランチ女子会に、年齢も国籍も職業も関係ない。どうやったらアンタみたいになれんの?って素直に質問する事だってできるし、男ウケをフル無視したどぎついピンクの壁紙の部屋で、ハイエナだってペットに出来るのだ。
もうね、そんな光景、見ていて気持ち良くなってしまうでしょ。こんなの最高じゃん。


ホアキンのジョーカーは、時代背景を盛り込んだ社会風刺映画って感じだったけど、本作は、「女共!(HEY GIRLS!)武器を持てぇぃ!!可愛さも学もあざとさもヒラメキも、持ってる武器は全て使って、アンタもアタシも幸せになるわよ〜〜(ドンドンパフパフ)」的な、女性による女性に向けた女性のための人生賛歌に思える。

ハーレイ、あんなだけど博士号持ってるんだよ?パパ活で買ってもらうジルスチュアートのリップより攻撃力あるでしょ。「女子力」ってのはこういう事を言うのよ♡って感じじゃん。お手本見せてくれてありがとう。日本の医大は女だと採点いじられるけど、それでも受けたろ!って思う女性が1人でも増えたらいい。女だからって、やりたい事なりたい事やりたい事、止められてたまるか。こんな古い風習、ドロップキックでぶっ壊してやろう。

権力ある男と別れた後は、エッグサンドも食べられない程に悲惨なことが続いてハーレイも大変だったと思うけど、泣いてすがったり、ネットストーカーしたり、消せないアドレスJのページを指でなぞったりなんてせずに、元カレの似顔絵にナイフ突き刺してダーツの的にしちゃう好戦的な姿勢も見習いたい。
あと、ハーレイの人生第2章に、元カレ一切出てこないのが最高だった!バイバイプリンちゃん!!「運命を狂わすほどの恋を、女は忘れられる。」って、まさにこのこと!
どんなイイ男も、金持ちの男も、権力ある男も、私を大切にしないならただの男。あいつらは全員まとめてハイエナのエサにしてしまおうな。

女だからこそ、共感したり励まされたりするシーンがたくさん盛り込まれていて、ハリウッドが全世界の女性に向けて、全力をかけて作った女性応援ムービーという感じでした。せっかくだからレディースデイに観よ♡とにかく、女の人にオススメしたい一本です。