ピープー

隣人は静かに笑うのピープーのネタバレレビュー・内容・結末

隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

渋谷ツタヤにてVHSをレンタル。

衝撃的なツカミのオープニングが素晴らしい。緊迫感たっぷりの演出と編集、特にクライマックスの主人公が車で追いかけるシーンが秀逸。

それにしてもなんと報われないバッドエンディングだろう…。セブンより容赦なくて、これも凄い。ただセブンと違って犯人は全く罰せられず救いもないので、なんか騙された感というか、嫌なモノを見せられた感というか、釈然としない気持ちになる。

ティム・ロビンス夫婦のキャラはテロリストなりの信念や正義、葛藤があまり描かれていなかった。主人公に調べられていたことを恫喝するシーンは多面性が描かれていて良かったが、これも本音が爆発したのではなく嘘ばかりだったのでイマイチ共感できず。電話ボックスの後ろに妻が立っていたところやパーティーのシーンなど単なるホラー的な不気味さだけで残念だった。この悪なりの倫理観みたいがもっと厚く表現されていたらキャラの魅力が増して、最悪なエンディングにも味わいが出たと思う。

主人公が犯人に仕立て上げられてしまうというオチありきのプロットが強引に感じられる。

・恋人が隣人の怪しい行動を偶然見かけるという都合の良い展開。それだけで殺されるには理由、必要性が薄い。

・息子を人質に取られていることをFBIには言わないのに、単独で犯行を暴こうとするのが、理由がなくて不自然。

・クライマックスの爆破シーンで隣人の息子がキューを出すが、なんで?? そんな子が友達と花火で遊んで怪我するか?それともその怪我自体も他の犯行中に負ったものなのか? この辺りの伏線が綺麗に回収されていれば名作になったかも、と残念に感じた。
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