高橋典幸

櫂の高橋典幸のレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
3.5
映画『櫂』(1985年)を観ました。これで『鬼龍院花子の生涯』『陽暉楼』『櫂』、宮尾登美子さん原作、五社英雄監督の「高知三部作」とも呼ばれる3つの映画作品を鑑賞となりました。大正から昭和の戦前までの数十年間の物語。今から100年ほど前の土佐高知を舞台に、宮尾登美子さんの自叙伝的な小説『櫂』を原作にしてアレンジしたという脚本での物語。日本にあのような時代がありそのなかで生活を営んでいた人々がいる。今から見れば信じられないほどの社会文化ですが、逆に、100年後の2118年に生きる人が、2018年の今を切り取ったような映画を見たときに、昔の日本はそんな考えで社会が営まれていたのかと驚くんだろうなぁ。今では当たり前のことまでも。それにしても、菊の子供時代と、綾子を演じた子役の役者さんのお芝居がお見事です。なんといっても、喜和を演じた十朱幸代さんのお芝居には惹き込まれました。
高橋典幸

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