映画監督:ジャック・ドゥミかく生まれたりを、愛妻ヴァルダが穏やかな目線で映し描き出すドキュ・フィクション。細やかな幸せに包まれた幼少期の生活を引き裂こうとする戦争、周囲が音と色を失って行くなかでも、ドゥミのその目とその耳は相も変わらず鮮やかな色彩と軽やかな音階を感じ取り、そして青年へと成長して行く。運命的とも言える一台のカメラとの出会いがその映画愛を更に加速させ、幼少期の様々な原体験が創造の原点となり、後にあらゆる名作へと生まれ変わって行く。現在・過去、ドラマ・証言、モノクロ・カラー、そして名作名シーン入り混じり綴られて行く映画愛とヴァルダのドゥミへの愛、映画と愛する夫に捧げられたこれ以上は無い映画のラブレター、映画を通して知られぜる幼少期の彼との対話を果たしてヴァルダは幸せだったろうし、それはもちろんドゥミも同じだと思う。ドゥミの作品そんなに観てない人間でもこの真摯な愛には心打たれる、泣くよ、泣く。
