エイプリル

パンチドランク・ラブのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

別にホラーじゃないんですけど、ずっと不気味な雰囲気が漂ってて個人的には若干恐ろしい映画でした。
まず主人公のバリーの人間性をなかなか掴むことができなくて怖いし、バリーの周りの連中もなんか変です。7人の姉たちは異常にパーティーに執着していますし、なんの脈絡もなくバリーの惚れる女も謎です。どこか悪夢でも見てるような気持ちになってしまう映画です。
最初と終わりの絵の具を散らしたような映像も綺麗ですが不気味で、これも怖さを煽ってました。

その分キャラクター性が濃くて、薄味なストーリーを補完するくらいみんな個性的でした。バリーも最初は「なんだこいつ…」みたいに思って見ていたのですが、誰もが内側に持っている破壊衝動を外側に素直に発散する象徴として見ればわかりやすい人物像でもありました。この暴力性で愛を証明するのはまさにパンチドランク・ラブという感じです。
まあでも、映画のストーリーがずっと「バリーは変な男です!!!」の一辺倒で進んでしまっているのはちょっと退屈に感じるところもあったかも、とは思いました。
後この人、めちゃくちゃ喧嘩強くて笑いました。詐欺集団に捕まった時情けなく逃げ回ってたのも、怖かったからというより、安易に暴力を振るいたくないという理由からだったんですね。冷たい熱帯魚もそうなんですが、我慢の末の攻撃性は麻薬みたいな中毒性のある気持ち良さを感じます。
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