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脱出のtorumanのレビュー・感想・評価

脱出(1972年製作の映画)
4.0
ダム建設で沈みゆく運命の寒村に、カヌーで川下りに来た4人の男の悪夢を描いたジョン・ブアマン監督作品

カヌー下りにきた4人の仲間、リーダーのルイス(バート・レイノルズ)、エド(ジョン・ボイト)、ボビー、ドリューは、2台のカヌーで川下りを始めます。
岸辺を散策していたエドとボビーは、現地人の障害のある兄弟に遭遇、だんだんと不穏な空気になっていき、銃を突きつけられたエドは拘束され、ボビーは犯されてしまいます。
この危機をルイスが救いますが、これが本当の悪夢の始まりになってしまいます…。

アメリカを代表する名撮影監督ヴィルモス・ジグモントが映し出す全編オールロケ。
大自然を背景にしたサバイバルは、人間の卑小さ・怖さをより際立たせてくれます。

ジョン・ブアマン監督は"水"を描く第一人者ですが、今回は死と秘密の象徴として描きます。
観るものをキリキリと締めつける緊張と居心地の悪さは、しばらく心の奥底にこびりつくことでしょう。

この作品は、アカデミー作品賞、監督賞、編集賞のノミネートでしたが、「ゴッドファーザー』に攫われてしまいました。
知名度はあまり高くありませんが、1度観ると暫く忘れられないインパクトのある作品です。
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