バート・レイノルズの訃報が届いたけれども、彼の出演作といって思い浮かぶのはこれとかブギーナイツとか程度だったりする。
でもバート・レイノルズの迫力が最も際立っていた作品であろうことは見ればよくわかるものになっていて、この作品は川下りをしていた男らが地元の人間らの襲撃から逃れようとする映画になっているのだけど、まさに狩人の如く地元の人間を返り討ちにするバート・レイノルズの姿はキャストの中でも特に忘れ難い熱演だった。
しかし素晴らしいのは彼だけでなく、渋味のあるヴィルモス・ズィグモントの撮影や黒澤明ばり緊張感のあるジョン・ブアマンの演出も光る一品となっていて(特に最初の殺しが行われる場面は唖然とするくらい緊迫感が凄まじかった)、地味ながらアカデミー賞候補になるのも頷ける力作だった。
アクション主体ながら展開が闇の奥みたいで文学性が感じられるのも黒澤的で、最も黒澤に近づいたという意味でもジョン・ブアマンの最高傑作と呼べるものになっていたんじゃなかろうか。
しかし改めてこの頃のバート・レイノルズを見ると本当に雰囲気や顔立ちがリーヴ・シュライバーみたい。