スローモーション男

荒野のストレンジャーのスローモーション男のレビュー・感想・評価

荒野のストレンジャー(1972年製作の映画)
4.2
 クリント・イーストウッドが初めて監督した西部劇。

 寂れた町ラーゴにやって来た名無しのガンマンが、出所してきたばかりの悪党3人を倒すため町人たちと協力する。はっきり言って『真昼の決闘』のリメイク。

 まだ監督になって間もないイーストウッドだからか、何を撮っていいのか迷ってるのが分かる。演出にバラつきがあるんですよ…。乗馬の疾走感があんまりなかったり町の建物が新築みたいになっちゃってる…。そこまでコントロールできなかったっぽい…。

 ストーリーも盛り上がりに欠ける…。『真昼の決闘』を越えるのは難しいし、後の『刑事ジョン・ブック』みたいな人間ドラマも少ない。どうしても『荒野の用心棒』になってしまう。

 ただ、たまにめちゃくちゃ良いシーンがあるんですよ。悪党3人が砂漠のなかを馬で移動してるシーンとか、後半の銃撃戦など迫力があるんです。だからイーストウッドはやっぱり監督の才能あるんだなと思いました。

 これが『許されざる者』になるとは!イーストウッドは最初、監督になった時批判されてましたが、継続したらあんな大傑作作れるんですよ!