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トレインスポッティングのmaiのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.7
なんでヤク中の底辺気味の若者を、こんなにも軽く描けたんだろう?ってくらいにはポップ!笑

今は全然だけど、この世界に少し憧れるって気持ちは分かるなーという感想です。
ワルって一度はやってみたいし、羽目外してみたい…っていう謎の憧れをくすぐられる映画です。
内容は全然ないのですが(ヤク中→更生→ヤク中→更生…を繰り返す)、とにかく映像やファッションや音楽がオシャレ。刺さる…までは来なかったけど、十分に映画の雰囲気を楽しめました。
ただ汚い(本当に汚い)ので、(映画は朝方にみたので)朝ご飯の味噌汁食べることすらしんどかったです。笑
特にトイレのシーンとか…まぁとにかく汚いです。
あと幻覚のシーンで赤ちゃんが迫ってくるのは軽く恐怖でした。ホラー映画じゃないから、赤ちゃんが振り向いたらやばい形相…なんてことはないだろうなぁと思いつつ、そこで止まってパッと消えてくれないかな?!くらいには思いました。

結末的には最高に好きです!
小さい頃から、多くの人が口酸っぱく「友達は選びなさい」的なことを言われると思うのですが、まさにそれです。
レントンのそれまでの言い訳は、仲間にどんな酷いことをされても「友達だから 仕方ない」だったのですが、最後の最後で「あいつらもいずれ裏切る」と悪い仲間と決別することを決意します(ただスパッドは根がいいやつだから、とお金を残していきます。こういう所が人間臭くって好きです)。そして、「お前らと同じ人生を生きるんだ」的なことを言って映画終了。
なんだか、どうしようもないクズの集まりの映画だったのに、どうしてこんなにも希望に満ちた終わりになるんだろう!と爽やかな気持ちでこの映画を見終えました。
最後にレントンがニヤッと笑う感じも最高にカッコいいんです。いや、全編通してレントン役のユアンマクレガーは最高にカッコいいんですけれど。
シック・ボーイもベグビーも最高にクズだし(ベグビーは特に。彼は疫病神すぎて好きになれない)、スパッドは頭のネジが何個か飛んでるんじゃないか?くらいおかしい(というか、幼い?)し。でも、「ワル」ってまさにこれだよねー!となるキャラ立てが出来てて面白かったです。
ワルのままでいいのか?と考える主人公に、ちょっと頭の緩そうな根はいい奴の友達、そしてちょっとイケメンなカッコつけに、悪事の根源のガチ目のワル…まさに!まさにこれ!という感じです。

一度見たら十分かなぁと思うのですが(音楽とか諸々は好きなんですけど、圧倒的に不衛生シーンが受け付けない。そのシーンさえなければ何度でも見たい)、すごく面白かったです。
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