娘の同級生に入れ上げる変態親父レスターと、ヒステリックで不満だらけの母親キャロライン。そんな両親が嫌すぎる娘ジェーンと、モテることを殊更にひけらかす友達アンジェラ。娘を盗撮するヤクの売人高校生の隣人リッキー。彼を矯正したがり、ゲイを忌み嫌う元軍人の父フランク。無気力な母バーバラ。
数々のアメリカらしい問題をふんだんにちりばめた舞台で、それぞれが不安を怒りに変えてぶちまけ合う話。
変態親父のレスター（演：ケヴィン・スペイシー）を、どの人物も殺しそうな雰囲気があるし、誰もが間違いを犯しそうな雰囲気がある。
比較的コメディチックなシーンが多いのに、嫌な感じが常にあって面白かった。ところどころの音楽の使い方も絶妙で良い。
特に好きだったのは序盤のパーティーのシーンで、虚無の目でバーテンに酒を注がせるレスターの顔。それにバーガー店のドライブスルーでソースを薦めるレスターが最高すぎてめちゃくちゃ笑った。なんちゅう顔芸だ。あと、乳輪！！！って感じがすごかった。
フランクが息子の部屋から覗き見するシーンとか、ラストシーンの演出とか見事。なぜかどのシーンにも既視感があったのに観たことない自信だけはあって謎だったけどちゃんと観て良かった。
初監督作でこれは才能すごいとしか言いようがないな。
