なちゅん

アメリカン・ビューティーのなちゅんのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
4.1
観賞後、うわーまじか…ってなった後でパタッと言葉を失う。
それぞれのキャラクターの相関図と話のベースはコメディのそれで、その上に建てられたものがとんでもなく不穏で奇妙で、陰鬱でさえある。
序盤は「これがアカデミー総なめ?」と思うような感じなのに、気付いたらぐんぐんと引き込まれている。終盤の静かにたたみかけるような展開に鳥肌が立つ。こんな見せ方ができるのか。
美しさとはなにか、人の一生は何をもって幸せとされるのか、みたいなことをじわりと考える。

アンジェラの隣で引け目を感じていたジェーンが、自らに目を向けてくれる存在を得たことで、自分の魅力を表に出せるようになって、隠されていたものが表出してきて、花が咲くようにぐんと美しくなったのが素敵だった。

美とは誰かが定義したフレームのあるものじゃないな。
なちゅん

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