スターガール

告発の行方のスターガールのレビュー・感想・評価

告発の行方(1988年製作の映画)
2.9
ジョディ・フォスターが初めてアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品。本作は、レイプ被害にあった主人公サラと直接犯行に及んだ者だけでなく、犯行をそそのかした野次馬と法廷で闘うまでが描かれたドラマ。

題材がシビアなだけでに、女性でも男性でも観やすくはないと思う。今だったら、テレビドラマで1話完結でさらっと語られてしまいそうなテーマだが、当時アメリカで社会問題としてよく取り上げられていたことを考えながら、じっくりこういう映画という形で観ると、様々な状況によって扱われ方が変わってくる犯罪なのかなという印象を受ける。「こういう格好で出歩き、こういう生活をしてて、こういう交友関係があったから『被害者』とは言えない」という判断がなされ、加害者の刑が軽減される実際の事件はアメリカでは少なくないと聞く。「本当の『レイプ被害者』とは何か」という、そんな議論は必要ないはずなのに。レイプ被害は女性だけでなく、男性にも起こりうる。ただひとつ言えることは、いかなる状況であれ、立場の人であれ、"No means 'No'."(「やめて」は「やれ」じゃない)ということだ。

法廷ものとしては、もう一押しといったところ。ジョディ・フォスターが物語が進むにつれて、主人公が事件でどれだけ肉体的・精神的苦痛を味わったのか、少しずつ感情を引き出しから取り出していくように演じていて、ますます観るのが辛かった。流石だ。
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