竜平

クローンの竜平のレビュー・感想・評価

クローン(2001年製作の映画)
3.0
未来の地球を舞台に、突如として「クローン」であるという疑いをかけられてしまう男の奮闘と、そこに隠された真実を描いていくSFサスペンス。

個人的なこととして今作はマデリーン・ストウ見たさ7、8割で鑑賞、ってのはマジでどーでもいい話。SF作家のフィリップ・K・ディック原作の物語。同じく彼が原作の『マイノリティ・リポート』にもあるような、主人公があらぬ容疑をかけられ追われる身になってしまう、という流れ。てかやっぱり未来って完全な管理社会になってるんだねーなんて。今作はそんな時代設定の他に、ケンタウリなる宇宙人と人類が交戦状態にあるという状況設定までも絡んでくる。思うのが、これまで幾度となく描かれてきた気がするこの「もう一人の自分」的な内容、その中でもここまで本物と偽物の判断が難しいというか、区別の仕様がないというか、周り含め自分が持つ証拠すら曖昧になってしまう設定ってのは初めてかもしれない。現実の世界でも近い将来クローン人間なんかが誕生したとして、そのとき「真実」なんてのはあってないようなものになってしまうんではなかろうか、とか妄想を膨らませたりして。ラストには何が待ち受けているんだろう、いったいどれが真実なんだろう、それを期待しつつ、まぁ約100分と短い上映時間ながらそれでも少し感じてしまう間延びだったり、ツッコミを入れたくなるようなところもあったりするんだけども、それでもオチではちょっぴり衝撃も待ってたりして。公開当時の時代的なものなのか、映像うんぬんの安っぽさはご愛嬌。我こそはSF好き、という人は一度試してみては、という感じ。

主人公を演じるのは『フォレスト・ガンプ』のダン中尉でお馴染み?のゲイリー・シニーズ。個人的に彼の魅力だと思ってる狂人演技というのも少し楽しめたり、まぁ少しね。クセ者的な立ち位置がやっぱり似合うヴィンセント・ドノフリオ。いやしかしマデリーン・ストウ、お美しい。それを見れただけでじつは満足な俺でしたチャンチャン。
竜平

竜平