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大樹のうたのMcQのレビュー・感想・評価

大樹のうた(1958年製作の映画)
4.7
サタジット・レイ監督の〝オプー三部作〟最終章に突入。ラストが素晴らし過ぎたけど、スコアは三部目に限ったものでなく総評としたい。

〝それ〟は彼にとって生まれて初めての〝ときめき〟だったのだろう。何気ない気遣いや、ふと見せる笑顔だけで泣けてくる。それはそこに至るまでのオプーを追って来たからこそ湧き上がってくるものなのだ。

そんな姿にほっこりしながらも油断は出来ない。はっきり言ってしまうと彼の人生は〝呪われてる〟としか思えないのである。故に彼の5年がかりの非情と思える行動も一概に責める事は出来なかった。

オプーの成長に応じて配役が4段階(赤ちゃん入れると5段階!)チェンジするのだが、やっぱり最初のオプーが一番印象深かった。最終的に髭面のおっちゃんと化したオプーには、もはや美少年の面影は無く別人に見えてしまったのがちょっと残念だが、人間いつまでも輝けるものじゃない事を思い知った。何はともあれ大傑作!
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