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豚と軍艦のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

豚と軍艦(1961年製作の映画)
3.5
本当に豚と軍艦だった。
今村昌平監督による重喜劇の開幕を告げる作品。
日本の社会の底を見ているよう。常に禍々しい。
モノクロ映像と姫田真佐久の冴えたショットの数々。日産生命をバックにした丹波哲郎の列車飛び込み未遂や夜の店でのむせ返るような紫煙と機関銃乱射に豚の暴走など見せ場はたっぷり。
黛敏郎の音楽も良い仕事をしている。
死体の始末のために豚の餌にしてその豚を人間が食って入院するところとかコミカルなのだが笑えそうで笑えない。

もうこんな映画は今は撮れないだろうな。
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