勝五郎

牝犬の勝五郎のレビュー・感想・評価

牝犬(1951年製作の映画)
5.0
ラストシーンの京マチ子さんの儚くも健気で途轍もなく綺麗なこと!

真面目にコツコツと生きてきた志村喬の一生を、家庭を木っ端微塵に吹き飛ばしてしまったエミの魅力たるやキョーレツであります。

志村喬は熱演である。
「生きる」で胃がんと知り大金をおろして遊び周りやがてとよにつきまとうあの渡邊とはもちろんまるで違うけれど、若い女性の活力、そして「牝犬」ではエミの肉体に溺れていくおじさんの上手いこと!
あの涙あふれるあの目ね。


京マチ子さん、皮肉にも亡くなってからその評価が高まり…と言うか実はたくさんの映画ファンが彼女をずーっと追いかけていたことが公の場で明らかになった事はとても素敵なことである。
今はもう彼女はこの世にいないけれど、彼女の映画は未来永劫観劇され語られ多くの映画ファン達を魅了していくのだ。

そうそう、悲しく不幸な連鎖の中、なんだかいたたまれない幕引きの中で少しだけ光が差す場面はあるけどね。

あらためて…R.I.Pマチ子さん
勝五郎

勝五郎