ガリガリ亭カリカリ

THE 4TH KIND フォース・カインドのガリガリ亭カリカリのレビュー・感想・評価

4.3
サイコー。久々に見直したら何もかもを"信頼"できた。もはや御守りのような映画。

友人のたけき夏アニメーションさんと映画談義していたときに彼が「やっぱり『フォース・カインド』や『フォーガットン』は過小評価されすぎている!俺はちゃんとDVDも持っている!」みたいな話をしていて、自分が「へえー『フォース・カインド』のDVD持ってるんですね(苦笑)」みたいな反応をしてしまい、彼は「笑いごとなんかじゃねえぞ!全員がそうであるべきだ!」と反論していたが、やっぱりそこで「流石ですね!!」と返せなかった自分には猛省を促したい。

冒頭のミラジョボの煽りからして素晴らしいし、実際の博士の人相がミラジョボと違いすぎる差異も演出として面白いし、再現映像と実際の記録映像の混在がエポックとまでは評価できなくとも、独特の高揚感をもたらしてくれる楽しすぎる設計。

中々にハードな展開で、人も景気良く死んだり消えたりするし、ラストも「これで終わりだなんて……」という寂寥感のある現在進行形の怪談的な厭さだし(病院のベッドという舞台設定も良い、ミラジョボ博士の負傷という客観的事実と、妄言かもしれないというニューロティック感)、可哀想な物語である。

ミラジョボの診察を受ける患者たちが全員同じ体験をしている、という描写をするにあたって、患者Aに向けていたカメラをそのままパンしてミラジョボを映して、再びミラジョボから患者Aにパンをすると、そこには患者Bがいて同じ話している、という演出が見事。
カメラはほとんど手持ちなんだけれど、ちゃんと撮るべき時に撮るべき位置で撮影していて良い。

ICレコーダーに録音されている、全く記憶のない自分自身のおぞましい悲鳴を聞く描写も素晴らしい。
シュメール文明陰謀論とか、フクロウを陰謀論動物として登場させるのも上手い🦉

家の上についにやって来るUFOを、その瞬間にバカみたいなノイズの嵐でごまかして明瞭に映さないのだけはバカヤロー!