ガリガリ亭カリカリさんの映画レビュー・感想・評価

ガリガリ亭カリカリ

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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

某曲の歌詞の意味を観客にあらかじめ周知しておいた上で迎えるクライマックスは、聡実くんが出せる最期のソプラノを絞り出す躍動感に満ちていて、そこはまんまとエモかった。文字通りに、その歌唱をもってして彼の">>続きを読む

邪願霊(1988年製作の映画)

4.0

Jホラーはここから始まった!と言って過言ではない点だけでも重要な映画。元祖心霊写真的恐怖(そのまた元祖は『回転』だけど)。
画面の奥でぼんやりとした人影がこちらを見ている、というだけで怖い。真っ白い顔
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アバター(2009年製作の映画)

1.9

ネトゲにどっぷりハマった息子を説教しに行ったら逆に殴り返されてネトゲ万歳!と自慢気に宣言された、ような話。
コレを162分間観るなら元ネタの『もののけ姫』を再見するかな。

一人称が完全に"あたい"な
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ノロイ(2005年製作の映画)

5.0

「なんでそんな言い方ができんだよ」
「なんでそんな言い方ができるんだって聞いてんだよ!」
「言い方ァ!」
絶対に隣に住んでいてほしくない人ナンバーワン、石井潤子さん。

民俗学的アプローチとバラエティ
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かえるのうた/援助交際物語 したがるオンナたち(2005年製作の映画)

5.0

超絶最高ハッピーエンドが凄すぎる。たとえば「ハッピーエンド」と辞書で引いて、この映画が凡例として挙げられることに誰が文句を付けられようか。あんなことはあり得ないと分かっていながらも、この物語があのラス>>続きを読む

さよなら渓谷(2013年製作の映画)

3.7

生涯許さない女と生涯許されたくない男の不幸せな営み。世界でお互いしか受け入れられない関係性を契約し、破滅することも破滅させることもできないまま、復讐にも贖罪にもならないセックスが日々発生するホラー映画>>続きを読む

LOVE【3D】(2015年製作の映画)

4.8

ドラマの中にセックスがあるのではなく、性愛そのものの物語。泣けるー。

フランス版ポスターにでっかく書かれた「ついに16歳以下厳禁の真の愛の映画の登場」ウケるー。

劇場で3Dで観たけど、飛び出すボカ
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101匹わんちゃん(1961年製作の映画)

4.5

101本目なので。
既存の鉄則をブチ破った、脱ウォルト・ディズニーなモダンアニメ。物語舞台が現代であることや敢えてミュージカル的手法を選ばない作劇はまだしも、線が残る作画にウォルトは嫌悪感を示し、長年
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ポゼッション(1981年製作の映画)

5.0

オールタイムベスト。夫婦間の亀裂と米ソ冷戦を重ね合わせたただ一つの映画。

マリッジ心理ドラマであり、ぐちょぐちょホラーであり、スパイアクションとも化す謎ジャンル映画で、終始観客に揺さぶりを掛けながら
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パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

1.5

日本人は、この映画が想定する観客からは除外されているような気がする。

たとえば『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、世界共通で認識できる「森」をロケーションに設定しているのがうまかったが(『ジョーズ
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涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

5.0

オールタイムベスト。且つオールタイムベストSF。且つオールタイムベスト失恋映画。『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』からの影響も多々ありつつ、『素晴らしき哉、人生』で描かれた「自分が存在しない>>続きを読む

狂った果実(1981年製作の映画)

4.8

2015年に新文芸坐の特集「愛と官能のシネアスト」で『ラブホテル』と二本立てで観たが、あまりにも面白くて午前中から夜にかけて計3回続けて観た(寝坊しそうだったので前夜に池袋のネカフェに泊まったのも憶え>>続きを読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

4.1

ありがちなタイムループ設定を、省略に次ぐ省略でコメディに昇華していてうまい。トム・クルーズが顔面蒼白で戦場から逃走したり、オタオタワナワナしまくっていて何の役にも立たない前半はずっと笑って観れた。トム>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

4.5

とある場で某大学のオカルト研究会と某大学2のオカルト研究会の現役学生さんたちと意気投合しホラー談義をしていて、やはり若者の間ではゾゾゾとかフェイクドキュメンタリーQとか暗夜とか大森時生プロデュース作品>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.9

ティム・バートン大好き人間としては「ついにバートンがお父ちゃんと和解できた……」という作家の自己実現に対する感動と、嘘の"本当らしさ"みたいな、フィクションの尊さを訴えかけるアティテュードにはグッとく>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

4.7

見たら死ぬビデオ映像がやっぱり発明で、本作以前にも以降にも存在していないエポックメイキングな禍々しさが強すぎる(と書いていて思い出したが、高橋洋は『CURE』劇中に登場する催眠ビデオ映像をかなり参考に>>続きを読む

キャリー(2013年製作の映画)

1.5

キャリー・ホワイトにクロエちゃんをキャスティングするなんてどーかしている!!

可愛すぎるじゃないか、ということもあるが、たとえばプロムでの覚醒にしたって、もはやキャリーがドラゴンボールのような強さで
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マルタのやさしい刺繍(2006年製作の映画)

4.2

ショーウィンドウに飾られたランジェリーを眺めるおばあちゃんたちの画が力強すぎる。ランジェリーとおばあちゃんたちの切り返しに加えて、反射を利用した同一ショットが対比の面白さを起こしている。

予想を超え
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いぬばか(2009年製作の映画)

1.0

この映画よりも酷い映画を作れと言われても作れないレベルで壊滅状態だが、こういった映画のフリをしたやる気のない破廉恥な犯罪的駄作からしか摂取できない豊かさというものは絶対にあり、そこには常識を逸脱したク>>続きを読む

シンプル・シモン(2010年製作の映画)

4.3

クライマックスでフィックスのカメラが同一ショット内で手持ちになる瞬間があって、それってデジタル処理なのかもしれないけれど、三脚に置かれたカメラを物理的に持ち上げる、「今、カメラを三脚から外して被写体を>>続きを読む

カリギュラ(1980年製作の映画)

4.1

エロいことが行われる巨大な部屋でエロいことをせっせとしているエロいモブの人たちが、翌朝にコケコッコーと朝を迎えてムニャムニャと起き上がり、エロいことの準備を始める、エロいモブの人たちの起床が描かれてい>>続きを読む

ルパン三世 天使の策略(タクティクス) ~夢のカケラは殺しの香り~(2005年製作の映画)

4.1

ルパン史上に残る殺しがラストにある作品。「お前を殺しても俺っちのワルサーが汚れるだけだもんなァ」、「甘いよルパン!」、真っ赤な夕陽のコントラストの中で、ルパンが女を殺す。

数あるルパン作品の中でも、
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ルパン三世 盗まれたルパン ~コピーキャットは真夏の蝶~(2004年製作の映画)

3.9

妹と一緒に金曜ロードショーで観て、妹が本作のヒロインのベッキーを気に入ったらしく、しばらく台詞や仕草を真似してた。

ルパンの元相棒のキャットの娘という設定で、ルパンのコピーキャット(模倣)を頑張る。
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鬼畜(1978年製作の映画)

5.0

オールタイムベスト。私的最恐トラウマホラー。どんなホラー映画の殺人鬼やモンスターよりも、この映画の小川真由美と岩下志麻がいちばん怖い。

世俗的に信じられている「家族」というつながりや絆が崩壊していく
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劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100(2023年製作の映画)

4.2

中村義洋監督萌え萌え映画。
スタッフが呪い(コロナ)で次々とぶっ倒れていく中、ひとりだけ呪いに打ち勝ち続ける呪い免疫つよつよな中村監督のアイドル映画。

老人ホームでのインタビュー、を窓の外から覗いて
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仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

4.4

水が怖い以前に、老朽化したマンションの厭演出がいい。雨漏り、壁のシミ、不味い水道水、貯水槽、日当たりの悪さ、湿度の高さ。真っ暗で湿った建物に向かって雨が降り続ける。『残穢』的な穢れの空間。

自分たち
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呪われたジェシカ(1971年製作の映画)

4.4

『ジェシカを死ぬほどビビらせよう』という原題がサイコー。
さらに音楽もずっと狂っていてサイコー。

幽霊屋敷も湖も街も、厭な雰囲気しかなくてスーパークール。安いからという理由で霊柩車に乗っていたり、墓
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.1

北野武監督作品というよりも、黒沢清が監督したヤクザ映画みたいなルールで撮られていると思う。暴力装置が可動し、可動しちゃったら最後、誰にも止められない、ってか誰も止めようとしない、みんな巻き込まれて死ん>>続きを読む

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.8

酒飲んで酔っ払って大麻吸ってハイになるだけで面白い映画が撮れるなんて、早く教えてほしかった!!!

いぇ〜〜イ!やっぴィ〜!んぎょ〜〜!なマシュー・マコノヒーが、ジャン・ルノワール『素晴らしき放浪者』
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カルト(2012年製作の映画)

4.1

打ち切り漫画エンド最高峰。誰よりも早くホラーで、しかもフェイクドキュメンタリーでそれをやったのが偉すぎる。

本当っぽさを逆手に取った嘘っぽさの金太郎飴状態が、エンタメとしてずっと正しい。

ネオのキ
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僕の初恋をキミに捧ぐ(2009年製作の映画)

2.9

これは結構すごい映画だ。

まず始まってすぐに病室で小学生男女同士がお医者さんごっこをしていて、女の子が男の子の胸に聴診器を当てながら「こりゃあ大変ですね、さあ、服を脱いで!ズボンも脱いで!パンツも脱
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CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)

1.2

『ゴールド・ボーイ』を観て岡田将生について想いを巡らせる。彼を映画で表象する際に、たとえば『ドライブ・マイ・カー』のようなサイコパスや、『悪人』のようなクズ野郎を配役させたいという欲望が纏わりついてい>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

5.0

最高。今宇宙でいちばん面白い映画。

読み始めたらページをめくる手が止まらない小説のような面白さ。

特に我々の年代は、金子修介へ長年納め続けてきた税金(ガメラ税、学校の怪談3税、GMK税、デスノート
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スピーシーズ2(1998年製作の映画)

3.7

クライマックスで女エイリアンと男エイリアンがめちゃくちゃ派手に交尾する。女のエイリアンの乳首がニョキニョキと伸びて触手みたいなことになり、かなり訳が分からないことになってすごい。

というのを、幼い頃
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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版(1980年製作の映画)

5.0

元祖シックス・センス(ネタバレ)。
久々に4Kリマスターで観たら、ツッコミ不在のボケ映画すぎてめっちゃ笑った。
原田芳雄と藤田敏八が無表情・棒読みで「あれえ???」と喋ってるだけでクソ面白い。

すき
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愛のコリーダ(1976年製作の映画)

3.4

観たことなくて新文芸坐でフィルム上映を観たような(2013年頃だったかな?反戦・社会派名画特集みたいなやつ)。
スゲェ映画なんだろうと過度に期待していたのも相応しくなかったが、公開当時のようなセンセー
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