マーくんパパ

婉(えん)という女のマーくんパパのネタバレレビュー・内容・結末

婉(えん)という女(1971年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

土佐藩内で父の失脚が源で幽閉生活を送らされた野中家。家督男子の兄弟全員が死に絶えたことで40年ぶりに放免される。残された人生に生きる希望を失った母や姉妹と違い1人凛として生き抜く野中婉の実話物語。幽閉中に只1人野中家を気遣い手紙のやり取りで支えてくれた医師谷秦山への女としての強い思慕が婉を支えたのだが、自由の身となっても妻子ある谷とは添い遂げられない。そんな女の情炎の苦悩を岩下志麻が熱演。藩主交代問題で今度は谷が蟄居を命じられる。かつての恩を逆に返す立場になった婉が早駕籠で面会に向かう道中、出くわした城代家老の列をキッと睨みすえ「元家老、兼山の娘、婉、邪魔だちは許しませぬぞ!」と啖呵を切って突っ切るラストは岩下志麻ならではと思わせる。