めしいらず

ネバーエンディング・ストーリーのめしいらずのレビュー・感想・評価

1.9
普通の子供向けファンタジー映画と思えばそこそこの出来栄えであるのかも知れない。壮大な世界観もそれっぽい。ただ原作の肝である最も重要なモチーフ(救世主としてバスチアンが祀り上げられ、後に落魄を辿る人生の陥穽の部分)が丸っ切りすっ飛ばされており、ただ勇気凛々甘口ファンタジーに堕してしまった。だから原作者ミヒャエル・エンデが激怒したのも無理からぬ。本作でバスチアンは徹頭徹尾ただ本を読んでいただけであり、彼が抱えていた(筈の)コンプレックスを何一つ乗り越えていない。それなのに何事かを克服し問題が解決したかのように最後にファルコンを駆っていじめっ子を追いかけ回し意趣返したりするものだから気持ちが全然追いつかない。本作の印象で原作のイメージを決めてしまうのはあまりのも勿体ないと個人的には思う。有名なチャカチャカした伴奏の主題曲と、アトレーユ役ノア・ハサウェイの美少年ぶりは美点として記憶されていそうではある。小学生の頃に大流行りしていたのが懐かしい。
再鑑賞。
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