ハレルヤ

召使のハレルヤのレビュー・感想・評価

召使(1963年製作の映画)
4.0
アフリカからイギリスに帰国した貴族のトニー。婚約者のスーザンと高級アパートに住むため、召使のバレットを雇う事にする。完璧な仕事をこなすバレットを信頼しきっているトニーはやがて静かに破滅への道を辿っていくサスペンス映画。

現在も話題になっているアマプラ配信映画の「Saltburn」が影響を強く受けたのが本作。それで本作の存在を初めて知り、かなりの高評価というのもあって早速鑑賞してみました。

この好評も納得の内容でしたね。60年も前でモノクロの作品ですが、その分小細工無しのストーリーとキャストの演技のみのストレート勝負。貴族階級と召使の主従関係が徐々に逆転していく様子が秀逸。

立場の違いが明確な序盤と完全に弱肉強食の関係性になった後半。有能な召使のバレットの策士らしさが強烈に感じられます。

このバレットを演じたダーク・ボガードの演技力に惚れ惚れする2時間。紳士的な面もあれば後半での乱雑な面もある。この演じ分けはお見事。

それほど起伏はありませんが、ゆっくりと確実に進行する不信感は確かに感じ取れるもの。昔の映画だからこその味わい深さがあります。「Saltburn」がお気に入りの方なら是非お勧めします。
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