男はつらいよ ぼくの伯父さんのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

本当は好きでたまらないのに、本当は心配でたまらないのに、どうして素直になれないのだろう。本作は満男の恋愛もそうだが、それ以上にさくら＆博夫婦と満男の親子愛に何度も泣きそうになった。特に電話越しでさくらと満男が涙をする姿、、普段はぶつかってばかりだけど心の底ではお互い好きでたまらないのである。

もちろん満男の恋愛物語も面白い。寅さんが言った通り、満男がやったことは間違っちゃいない。誰だって大切な人がひとり寂しく過ごしているなんて聞いたら、飛んで駆けてつけて慰めたてあげたくなるものである。そんな人としての温かい気持ちをわからないような泉の伯父みたいな高校教師は糞くらえだ。自分のことしか考えず人を馬鹿にするような人間に教師など務まるはずがない。

逆説的に言えば、学校では教えてくれないような人間にとって大切なことを教えてくれる寅さんは実に偉大である。そんなことを言うと、恥ずかしがりながら「わたくしなんて、、」と謙遜するだろうが、それもまた寅さんらしくて良いじゃないか。不器用でだらしのないところもあるけれど、こんな粋で良い人が今の日本にどれだけいるだろう。たとえいなかったとしても、自分がそんな人間になれるよう心を磨いていきたい。

ここにきて新たな出発。次の作品が楽しみだ。