書庫番

南極料理人の書庫番のレビュー・感想・評価

南極料理人(2009年製作の映画)
4.6
2,012年3月11日 購入DVDを自宅鑑賞。
(※この後、Blu-Rayを購入し直しました。(笑))

いやぁ、本当に購入して良かった。
自分が観て来た邦画の中でもかなりの上位に入る傑作。
沖田修一監督の脚本と演出は自分にとって相性が良い様だ。
作品の題材への目の付け所が良いし、兎に角、自分の笑いのツボを的確に突いて来る。

登場人物が皆個性的で愛おしいのも魅力の一つ。
そしてそれを演じる役者陣が主人公の堺雅人を始めとして皆、芸達者なので安心して観ていられる。
沖田監督の演出と役者陣の演技の妙が一番伝わってくるのはやはり食事のシーンだろう。
堺雅人が演じる調理担当の西村が作る料理はどれを取っても美味しそうなのだが、隊員達は食事中「旨い!」「美味しい!」なんて直接的な言葉は発しない。
それでも、供される料理の美味しさは、無言で黙々と頬張る隊員達の姿を観ていれば、鑑賞する我々には十二分に伝わってくるのだ。
そしてこちらも楽しくなる(空腹時には辛いかもしれないけど(笑))。

”究極の単身赴任”に勤しむ隊員達にはそれぞれ想いや事情もある。
それに悩んだり、足掻いたりする彼らの姿を観ていると応援せずには居られない。
でもそこには悲壮感や切なさは無い。
いや、あったとしてもほんのちょっぴりだ。
そんなちょっぴりの悲壮感や切なさを忘れさせてくれるのが、”おいしいごはん”。

元気の無い時はこの映画を観て、お腹を空かせて美味しいものを食べに出掛けよう。
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