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赤い糸のodyssのレビュー・感想・評価

赤い糸(2008年製作の映画)
3.0
【こういう映画もアリでしょう】

ケータイ小説原作の映画だとか。筋書きがきわめて明快、というか良くも悪くも分かりやすく、構えずに楽しめる作品です。いや、それなりに深刻な内容なんですけど、深刻さがすごく分かりやすいので、という意味。

見ていると、映画だとか小説ってのは本来こういうものかな、という気がしてきますね。男女がくっついたり離れたり、意図していないのに友達を傷つけたり、誤解からとんでもない結果が生まれたり、家族に秘密があったり・・・・そういう話の種を詰め込んだみたいな映画です。まあこれはこれでいいじゃん、ということで。最初に最後のシーンがちょっと出てくるところも効果的だし。

ただ細かいことを言うと、首をかしげたくなるところもあります。例えば芽衣はアッくんと別れた後、たかちゃんと付き合うのですけれど、その前で彼との関係を誤解されたことから友達が・・・・になっているわけですね。こういう場合、その彼と付き合うことに後ろめたさがないのかな、と疑問を覚えます。仮に本当に好きな相手だったとしても、ためらうのが自然じゃないかと。

実はここのところは、他の友人との関係でもちょっとひっかかりました。この件でヒロインは危うくイジメの対象になりかけるのですけれど、他の友達との関係に影がさした気配がない。重大な事件のわりには皆さっさと通り過ぎているし、沙良のその後もどうなったのか分からない。ま、続編で出てくるのかもしれませんがね。

そう、この映画、一番最後にto be continued と出ましたので、続編があるんでしょうね。たしかに、言われてみれば最後もややあっさりし過ぎていたし、この先どうなるのか、ちょっと気になるところではあります。

最後に、私の好みの話で申し訳ないが、一番引っかかったのはヒロインの南沢奈央さんだと言わねばなりません。私の目からするとイマイチ可愛くないのです。むしろその周辺の女の子の方が可愛く見えました。石橋杏奈さん、桜庭ななみさん、鈴木かすみさん、いずれもとっても可愛くて、ヒロインをやってもいいじゃないかと言いたくなる。

ヒーローの溝端淳平くんとサブヒーローの木村了くんはいずれもイケメン。ただ、特に溝端くんは顔の造作が大人に近くて、中学生役はちょっと無理という感じではありますけどね。

ヒロインのお母さん役の渡辺典子さんもなかなか魅力的でした。若い頃は失礼ながら薬師丸ひろ子や原田知世に比べてぱっとしなかったのですが、中年になってむしろ整った顔立ちが生きてきたみたいです。
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