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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のodyssのレビュー・感想・評価

3.8
【キリスト教の野蛮(その3)】

 「キリスト教の野蛮」の「その1」と「その2」は下のリンクを参照して下さい。

 実在の事件を映画化したというこの作品は、19世紀半ばのイタリア・ボローニャを舞台に、子沢山のユダヤ人一家の中でなぜかひとりだけ幼い男の子がキリスト教の洗礼を受けてしまい、そのためにカトリック教会から拉致されてしまう、という物語です。

 拉致された男の子がどういう人生を送ったのか、なぜユダヤ人一家の中で彼だけがキリスト教の洗礼を受けてしまったのかは、映画のラスト近くで分かるようになっています。

 この映画を見ると、あらためてキリスト教がいかに野蛮な宗教であるかが分かりますね。

 日本は、明治維新で欧米文化を輸入しないと先進国になれないという強迫観念に駆られたために、キリスト教に入信する人間が多かった。

 でも、キリスト教信者なんて、こんなものなのですよ。
 この映画で描かれているローマ・カトリックは、イスラム過激派の「イスラム国」と同じです。周知のように、イスラム国はネットを通じてヨーロッパの少年少女を洗脳してイスラム過激派の尖兵にしたわけですからね。

 日本人がこの映画から学ぶべきは、キリスト教でもイスラム教でも所詮は同じ穴のムジナだということです。

 一神教を狂信的に信じるヤカラは信用できない。
 昔は、キリスト教のような一神教は高級で、多神教(日本なら「八百万の神」)は原始的というような阿呆らしい臆見が、一見すると高級そうな宗教学者にもとりついていたわけですが、そろそろそういう「白人中心主義」にはさよならすべき時期でしょうね。

 あ、でもイスラム教原理主義も同じようなものですから、キリスト教はダメだからイスラム教はいい、なんて勘違いしないように。
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