ささみ

パーマネント野ばらのささみのレビュー・感想・評価

パーマネント野ばら(2010年製作の映画)
4.3
以前サラッとしか観ておらず気になって再度鑑賞。
個人的にすごく好きな映画でした。
バツイチ子持ち、田舎に出戻りした主人公なおこと、その町で男運に恵まれなくても波瀾万丈に生きる女性たちの人間模様のお話。
なおこの実家は美容室を営んでいて、母親演じる夏木マリさんがすごく印象的!パンチパーマに派手な化粧でタバコをふかしながらの接客。お客さんも皆派手化粧のパンチパーマ笑美容室は町民の憩いの場です。
なおこの幼馴染2人もとてもハードな人生を送っており、なおこ自身は高校教師のカシマさんと恋をしている、ごく普通の人に見えます。しかし彼女もまた大きな秘密を抱えているんです…
映像の中の風景や、部屋にある小物、照明の光等が人物の心情やその場の雰囲気を繊細に映しており、世界に引き込まれます。俳優の皆さんの演技も自然で繊細で、変な言い方ですが「演じて」いないみたい。
男に振り回されていた若きなおこの母と、それに振り回されざるを得なかったなおこの複雑な関係と、ある理由でどこか心ここに在らずななおこ自身となおこの娘ももちゃんとのなんか上手くいっていないような関係。これも印象に残りました。
「私狂ってる?」
「なおこが狂ってたらここのみんな狂ってるよ、今まで世間に合わせてきたんだから、好きなように生きようよ」
原文ではないですがこんな感じのやりとりがすごく好きでした。すごく心に残る、大切にしたい一本でした。
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