タイトルが「若親分」の様相を呈してきたシリーズ第3作にして最終作。天界を荒らし回った悟空が、観音様によって下界に放逐され、人間を幸福にすれば許してやるという約束に従って、悪者に蹂躙される人々を救うという話。
人間に化けているという設定のため、悟空メイクをしていないシーン(役者が素顔で演じるシーン)が殆どで、だからこそ、様々な人情話が入ってきたり、悟空が恋に落ちたりしてしまう。そうした部分も悪くはないが、手のつけられない暴れん坊だったハズなのが、人間の姿になった途端に、物わかりの良い大人になったり、孤児や善男善女と触れあったり、悟空のキャラは崩壊気味である。
というわけでさほど特撮シーンが出てこないのでオプチカル・プリンターが使えなかったのか、合成は第1作のレベルに後退している。逆に初期の忍者映画のごときトリック撮影が多様されており、何だかプリミティブで心が潤う。