Lilie

みなさん、さようならのLilieのネタバレレビュー・内容・結末

みなさん、さようなら(2012年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

田中圭さんが見たくて視聴。
田中圭さんの堀田、噂通りクズでした(笑)
凄惨なセリフをサラッというの。

監督のインタビューをみると、一見善に見えて、悪というキャラを求めていたのがわかる。
以下引用
「――では、他のキャスティングについては?
 
「キャスティングに関してはとても時間をかけました。特に田中圭くんが演じた堀田という役がなかなか決まらなかったんですよ。本当に救いようのない悪人なのでね。よく演じてくれたなと思います。上手いしね。」
 
――風貌が一見優しいので怖さが際立ってました。
 
「それが大事だったんでキャスティングの候補の幅もせまかったんです。絶対的に“善”なイメージの人に“悪”を演じてもらいたくて。何人かオファーしたんですが「ここまでの悪人は…」と断られました。そんな中で田中くんは、そういう役であっても快く完璧に演じてくれたんです。」
 (引用元: http://kansai.pia.co.jp/interview/cinema/2013-01/minasan-movie.html)

これ、完璧でしたね。
田中圭さんはかっこよく見られようとおもっていないとよくインタビューで言ってるので、他の方がイメージが損なわれるの嫌?で断っても、うけて、しっかり体現してしまう。

ほんと優しげなんですよ。
初めて会ったとき、お礼すらいう。義理の娘をやさしく見ることすらする。
でも彼がクズなことを知ってるせいか、その時点でもう凄みを感じる。
主人公の渡合も少し怯えをまとった表情を見せる。

タバコを吸い、トランプを配りながら脅しとも取れる過去を語り、遮られると軽く激昂する。この間ずっとトランプの札を配っている。
これってなかなか出来ないことだと思う。
きっちり綺麗に配ってるんだよね。
そこ妙に感心した。
台詞が完全に入ってるんだなって。

堀田は「いかにも」という風貌ではない。それだけに凄みが増し、くちびるの片方をあげて「仲良しごっこは終わり」と告げるあたり、そりゃ子ども泣くわ。

渡合が鍛えてたおかげ?かめっぽう強くて、あの対峙シーン、凄惨な台詞を吐くんだけど、あっさりやられちゃうの、見事なやられっぷりに笑いさえ込み上げてくる。

ねえ、ほったらかしにしていいの?あいつらさらに徒党を組んで殺しにくるよ?とハラハラしたんだけど、警察呼んだのかしらん。そこ気になる。

ラストはやはりお母さんのためなら団地でれたね。
海にまきにいったのかな。

団地だけで話が進行する不思議な映画でした。
ベランダとか撮るの難しかったんじゃないかな。
Lilie

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