ぬまち

食人族のぬまちのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
5.0
高校の時に輸入DVDを取り寄せて取り憑かれたように見まくっていた作品。正直、唾棄すべき映像のオンパレードだと思いますが笑、映像制作(現在はYouTubeの動画)を生業とする自分にとってはかなり影響受けまくった一本でもあります。最近仕事でうまく成果が上がらないので、原点に立ち返ろうと思い久しぶりに鑑賞しました笑。

後半は、アマゾンで消息を絶った番組スタッフが残したフィルムを再生するという体の、いわゆるモキュメンタリーになります。仕事でカメラをまわすことが多い者として、この部分からは学ぶべき点が多いです。

この作品から学べるカメラワークの本質は「人が見たいものに寄れ」ということだと思います。つまり「欲望に忠実であれ」ということ。だから撮影現場では「視聴者は何を見たいのか」を常に意識して、視聴者の欲望を内在化してカメラをまわすようにしています。そうすると自ずと、どのタイミングで何にズームすべきかが即座に判断できるようになります。『食人族』を繰り返し見ているうちに、その感覚が身についたような気がします。

実際、密着系とか実録系の動画を撮影する際は、「『食人族』のように撮る」ことを意識すると、不思議と迫力のある画が撮れるのです。

勿論、人を選ぶ作品であることに間違いはないですが、映像を志す人は一度見ておいて損はない作品ではないでしょうか。トラウマになっても責任は取りませんが。
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