カネコ

食人族のカネコのレビュー・感想・評価

食人族(1981年製作の映画)
3.4
悪い主婦なので子供のいない時間に飲みながら観るシリーズ。

“グリーンインフェルノ”(緑の地獄)と呼ばれるアマゾンの奥地に住む食人族のドキュメンタリーを撮ると行って出発した若者4人組が行方不明に。

4人の捜索の為にNY大学人類学者モンロー教授はなんとか部族と親交を深め4人の残したフィルムを回収しNYへ帰還。

TV局の試写室で回収したフィルムを観るとそこには4人の蛮行とそれに怒り彼らを食べる食人族の姿があった。

いわゆるヤコペッティ作品のようなモンド映画のフリをして原住民と都会から来た文明人のどちらが野蛮か?と強烈に突きつけてくるモキュメンタリー。

映画の中で回収したフィルムが本物のスナッフ映像だったという入れ子構造とモンロー教授の食人族との触れ合いが微笑ましい前半パートとフィルムの中のドキュメンタリー撮影隊の蛮行パートの二部構成はなかなか良い感じ。
長閑なテーマ曲と凄惨なシーンのマリアージュも味わい深い。

前半のモンロー教授と食人族の触れ合いはかなりほっこり。
食人族の女の子たちと川で水浴びして楽しそう。

それに対して4人の撮影隊はかなり酷い。
今で言う炎上系YouTuberみたいなスタイル。食人族の家に火をつけて他の部族にやられたように見せるヤラセの撮影。そして火をつけた事に興奮したのか若者2人が食人族の目の前でセックス始めたり。
食人族の女の子を男3人でレイプ。
撮れ高の為にはやりたい放題。
毒蛇に噛まれた通訳の足をナタで切り落とす所もきっちり撮影。カメラ目線も要求。

彼らが食人族のオカズになった時には悪いけどスッキリした。

食人のシーンはより動物の死のシーンに時間を割いていて、実際の映像らしい。
ハナグマ、タランチュラ、ブタ、亀、リスザルは頭を割られて脳みそを食べられる。
監督は動物は本当に殺したけど全部食べたから!とか言ってたらしいけど食べれば良いってものでもない気がする。

亀の解体シーンはかなり長くて。
かなり大きい亀で臓物に鮮やかな青い膜あるんだなあと何故か感心してしまった。
ちなみにこれ観てる時のつまみは鯛のアラ塩焼きでした🐟

今作はYouTuberになりたいティーンなんかにも観てもらったらけっこう刺さりそう。

それにしてもイーライロスのグリーンインフェルノはかなり色々配慮されて観やすい作品だったんだなあと思ってしまった。
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