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12人の優しい日本人のevergla00のネタバレレビュー・内容・結末

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

【事実と心象】

日本で裁判員制度が開始したのは2009年。
本作は陪審員制度の仮定だけれど、それ以前に製作されたもの。
“12 Angry Men”ならぬ
「12人の優しい日本人」

邦題からは、はっきりと意見を主張しない日本人の特徴が際立っているのかと期待しましたが、自分のイメージにぴったり合ったのは陪審員4号のおじちゃんと10号のおばちゃんのみ。他は予想以上に騒がしく、非論理的で感情的、公私混同しがちな日本人でした😄

事件の被告、被害者、証人の人物像は、陪審員達の発言だけから形成していきますが、人をどう評するか、物事をどう見ているかという個人の視点が、陪審員自身の性格を浮かび上がらせていました。有罪か無罪か、そう結論付ける根拠と本音が明らかになることで、陪審員の人生まで垣間見えてきます。先入観に少し味付けしたくらいの短絡的な評価では、人柄や特技は見えてこない。人が人を裁くことは至難でとっても危険なのでした。

一番物静かな4号おじちゃんと10号おばちゃんの、上手く説明できなくても、長年培ってきた人を見る目が結果的に当たっていて本質を突いていたことが、良識ある日本人の象徴のようで、なんとなく嬉しかったです。発言を控えがちな人々から、丁寧に叡智を引き出せる優しい日本人が増えると良いなと思いました。

ちなみに鼻血の時は、仰臥位だと喉に血液が流れ込みやすくなってしまいます。座位のままで圧迫止血が望ましいです。

それにしても、暗いバイパス沿いを走り、大声でジンジャエールを渡して取っ組み合い…って🤔
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