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ターンのvivoのレビュー・感想・評価

ターン(2000年製作の映画)
2.0
 もったいない。もっと面白くできそうな物語なのに。やたらロマンスと孤独感だけに焦点を当ていたが、この物語には、孤独感だけじゃなく、もっと焦点を当てるべき部分が沢山ある。毎日5分間のサバイバル時間は、話を盛り上げる一番のネタだし、芸術家である主人公が「明日に何も残せない」ということに感じる絶望や、今日と同じ明日が「目的」を持つだけで色づくと気づいた時の喜び、そして何より、「明日も永遠も大差無い」というメッセージはこの物語に欠かせないはず。太古の芸術家は、未来の為に描いたわけではない。それが明日消えようと、百年後に消えようと、地球が壊れる時に消えようと、同じように描いたはず。それが長く存在するということは「描く理由」にはならない。明日それが消えると知っていても、生まれるものは残せばいい。残すしかないのだ、絵も命も。そんな力強いメッセージを伝えられる題材なのに、とにかくもったいない映画だった。
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