じろともトン

トウキョウソナタのじろともトンのレビュー・感想・評価

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)
5.0
#映画 #movie #日本映画 #邦画
◯ #黒沢清 監督「 #トウキョウソナタ 」
◯ #香川照之 #小泉今日子 #小柳友 #井之脇海
#井川遥 #児嶋一哉 #津田寛治 #役所広司
◯オーストラリア人映画監督の #マックスマニックス の脚本を、黒沢清監督と後輩の #田中幸子 さんが脚色して、現代の家族をテーマにした作品。
黒沢清監督は原作ものや他の人の脚本も、自身が監督するなら黒沢清監督なりのこだわりを盛り込むのがスタイルになってます。
原作ものでも原作者が黒沢清ファンな事が多く自由に撮ってくださいと言われるので、脚色にもフランクな作品が多いのも黒沢清監督の特徴。
◯カンヌ「ある視点」部門審査員賞はじめ多くの賞を受賞しています。
黒沢清監督の海外での人気と評価は97年の「 #CURE 」の頃から始まっているので、海外の映画祭の賞の常連でもあり、「 #スパイの妻 」の時だけやたらテレビで取り上げたりしているのがすごく違和感がありました。
◯ホラーやサスペンスジャンルに強い監督というイメージですが、Vシネ時代から「 #ニンゲン合格 」も家族の物語だったり、本人は職人監督だとも話していて、でも独自の作家性は観たら「黒沢清作品」を観てる感を感じる稀有な監督なので、どんなジャンルでも、普通に撮っても独特の緊張感と演出があります。
◯急にリストラされた父親(香川照之)を中心に、奥さん(小泉今日子)、息子たち(小柳友、井之脇海)の家族の物語。
◯次男役のピアノの才能に目覚める井之脇海さんは #松本穂香 さんと監督は違いますが、新作映画「 #ミュジコフィリア 」で共演しています。偶然ですが音楽映画。
◯役所広司さんが唐突に出てきます。
「CURE」の頃から意気投合してる同じ歳の2人なので、他の作品で固い役を演じたら、黒沢組に遊びに来る様に何か面白い役はないですか?と、カメオ出演の様に出てる作品もあって、黒沢清監督と役所広司さんのそういう関係はいつも面白いです。
◯香川照之さんは黒沢清監督のVシネ時代の代表作、傑作「#蛇の道 」の頃から黒沢清監督は凄さを感じていて、次は主演をしてもらいたいと、この映画では念願の主演をしています。「蛇の道」は #哀川翔 主演ですが、若き香川照之さんの怪演も見所。
◯黒沢清監督は作品の中に驚く様なシーンを必ず入れるのだけど、この家族の映画の中でも #小津安二郎 を思わせるドキッとするシーンがあります。
◯次男の担任役の児嶋一哉さんは映画初出演に思えない、独特の存在感と次男の井之脇海さんとの会話のやり取りがすごく面白いシーンになってます。この後俳優業に引っ張りだこになります。
◯ラストシーンも驚きます。
気づかないデジタル処理を使っていたりするのですが、たぶん普通に観てると全くわからないと思いますが、ラストの余韻もすごい映画です。
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