トウキョウソナタの作品情報・感想・評価

「トウキョウソナタ」に投稿された感想・評価

この映画を観て確信が深いレベルに到達した。「僕が日本の映画監督で1番好きなのは黒沢清ではないのか?」という確信が。それ程までにこの映画は完璧だ。欠点という欠点が思いつかない。そもそも、僕は両親が離婚している人間なので、家族という概念を何の疑問もなく称賛する宗教じみた物語を観ると虫唾が走る(「サマーウォーズ」であるとか「リメンバーミー」などがまさにそれである)のだが、この映画は僕の大好物である「家庭崩壊物」のジャンルの映画だ。しかも監督が黒沢清。これはもう間違いないだろうと観る前から思っていたのだが、予想を遥かに超える大傑作だった。人生という地獄を必死に生きる香川照之。耐え忍ぶしかない人生を憂う小泉今日子。家族という閉じた社会に疑問を抱き、日常から逃げだす小柳友。自分のやりたいことを認められない井之脇海。この4人の家族の日常を熱量たっぶりに映していく。特に面白いのはやはり香川照之の話。ホームレス相手の配給に並び、ハローワークで嫌な仕事を紹介され、惨めに働く香川照之演じる父親の姿は滑稽でさえある。だが物語が進むと、だんだん笑えないレベルでこの家族はバラバラになっていく。本当に厭な場面である「階段落ち」の場面から、鈍いにも程がある悪夢の様な音がリビングに響き渡ったこの瞬間から、いよいよ家族という嘘っぱちの集団が崩壊し始める。香川照之はトラックに轢かれ、小泉今日子は空き巣と共に逃避行を遂げ、小柳友はアメリカ軍で中東戦争の真っ只中に突入し、井之脇海は警察に捕まる。限界まで家族が壊れたその先に待つものとは何なのか。希望も絶望も全てを封じ込めた、「月の光」が美しく鳴り響くあのラストシーンの感動はもう言葉には表せない。視覚、聴覚、人に備わった感覚全てに訴えかけるドビュッシーの調べ。まさにあのピアノを聴く香川照之の如く、涙が止まらないのである。そして、フレームから彼らが抜けた瞬間に映画が終わる。「岸辺の旅」のラストと同じ様に。完璧にも程がある。映画的快楽の全てがここに詰まっている。総じて、黒沢清作品でも「旅のおわり世界のはじまり」と並んで大好きな映画になった。「アメリカンビューティー」の100倍エグい、背筋の凍る大傑作。
jp

jpの感想・評価

4.5
うわー!いのわきくん!ピアノ弾けるんやー!!
最後に弾けるんや〰️!!
井川遥が天才的に言うてたけどいっこも弾いてないやんと思ったけど、弾けるんや〰️!
役所広司おもろいー!
でも香川さんが一番好き。
三年ぶり。こんなに泣ける月の光はない。ジャンル映画すべてを集約させたような映画
eye

eyeの感想・評価

4.5
邦画で一番好き。

はっきりと割り切ることのできない、曖昧な感情を美しく思うことのできる映画だった。
Nak

Nakの感想・評価

4.9
マジか、稀に見ぬ出会いだわ
強烈に強烈におもしろい

社会性なんて言葉があるけど、
ここまで日本社会を一般家庭に落とし込めてる作品あるだろうか?

全シーンおもろい
全会話おもろい

あと、あの変な音
あの音楽だけは忘れてはならない

結局全員、疲れて家に帰ってくるって流れが、セリフとか一つもないのに説得力が満ち足りてて、ほんと映画
そしてラストのドビュッシー
こりゃもう完璧だわ、圧巻
osaka

osakaの感想・評価

4.5
黒沢清がホームドラマ、ということで「復讐」の六平直政とその弟、姉の近親相姦家族みたいなの出てきたらどうしよ、と少々不安ではあったが、心配無用でした。残念でもありますが。
とはいっても、清らしさは全開で、小津安二郎の映画を参考にしたという階段落ちのシーンなど、「あっこの構図・・これ絶対落ちてくるぞ・・・」と清センサーが働いたが、やっぱり落ちた!しかも嫌な落ち方なんですよね。同じような落ち方をする映画をこの前見た気がするのですが、名前忘れちゃった。「犬鳴村」だったかな・・
他にも津田寛治との出会いのシーンの演出もよかったですよね。ああいう風に見せてくれると、突飛な展開でもしっかり説得力がある。そしてメインとなる家の中でのシーンですが、家具の位置や、家の構造を上手く使った切り取り方でその場のパワーバランスや関係性が画的にわかりやすく演出されています。その後家族は散り散りになってしまうのですが、交通事故にあう香川照之(ここもセンサー感応しました)の、あごだけ歩道に乗っけたまま死ぬあの死に様はホント素晴らしかったです。結局生き返るわけですが、あそこであごがこっち側に乗ってなかったらもう向こうの人でしょうね。拘置所で、子供がどこに座ろうか悩んだ末、髭生えたおじさんの隣に座りに行くのも、あそこで手前のスキンヘッド集団の隣座ったら「あっ、この子もう帰れない」と感じただろうが、よくそっち選ばなかった。
演出の抑制の利き方が良くて、ジャンル映画へ傾きかけた時には「あぶないあぶない」と戻ってくる感じが面白かったです。清演出と作品テーマとが見事に合致し、しかも「意図と雰囲気」のちょうど狭間を映像化したかのようなラストカットには震えました。配置が工夫してあり、画面左に空白を作ることで、まるであの子のピアノ演奏に皆が圧倒され押し出されてるように見えるんですよね。そういう意図なのか~とほんほん見てると、演奏が終わり、子供が左奥へと進み、それを追うように両親もその空白を埋めるように進む。完璧なカット。ありがとうございました。
OuiLow

OuiLowの感想・評価

4.6
痛みを知らなければ
癒せやしない。
このドビュッシーは一番美しい。
黒沢清作品としては、ずいぶん分かりやすい作品だった。唐突なエピソードも多いが、何とも言えないユーモアが効いている。バラバラな家族が再生するかもとの暗示を示して終わる。津田寛治演ずるリストラ友達が脇でいい感じだ。「東京物語」から随分たってこの作品だが、家族の崩壊した感じは過激になったが芯の部分では変わらないなと感じる映画でした。
リーマンショックでリストラにあった家族の再生までの物語。どうしても父親である香川に注目してしまった。
だんだん自分の言動が自己否定になっていくところが物哀しかった。
ただ脚本的にはご都合主義的。
空き巣は役所でなくてもいいんじゃないかと。
磯野

磯野の感想・評価

3.6
この時の香川照之は
完全にバンザイのMVのときの
トータス松本
でもストーリーは全然バンザイでは
ありませんでした
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