パーコーメン

楢山節考のパーコーメンのレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
4.5
貧しい村での独特の風習・掟・土俗をテーマにした映画。
本題の姥捨までの間に過激ながらもどこか物悲しくエグいシーンが目白押し。日本の陰鬱、口減らしの世界観は重々伝わる。自然豊かな動物たちのシーンを差し込んでいるのも印象的。
春夏秋冬の過酷なオールロケもさる事ながら坂本スミ子氏の役作りは凄い。とても40代には見えない容姿と仕草、歯に関する逸話やパルム・ドールの受賞、大麻容疑など偉業の多い映画。
終盤の姥捨のシーンは前半を凌ぐ強烈さ。おびただしい骸骨の数、山に上がるまで一言も喋らない母を背負っての親子のシーン、帰路について母が身に付けていたものを他が付けているのはいたたまれない。
洗礼されたカルト的な映画。万人受けはしない。