千利休

子猫をお願いの千利休のレビュー・感想・評価

子猫をお願い(2001年製作の映画)
4.2
『アデュー・フィリピーヌ』か『メーヌ・オセアン』かどちらかは忘れたが、ロジエのパンフレットの蓮実評で本作が絶賛されていたことを覚えている。たしかにかなりロジエであった。アジア圏の作品とは思えないほど洋風。とにかく、いわゆるゼロ年代の閉塞感の描かれ方が素晴らしい。基本的に僕らはそれを邦画からしか体験できないわけだが、行ったことのないゼロ年代の韓国からひしひしとノスタルジーを感じ取ることができる。青春の終わり、停滞の始まり。ゼロ年代の傑作と問われたらこの作品を挙げたい。
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