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ヘンリー五世のJeffreyのレビュー・感想・評価

ヘンリー五世(1989年製作の映画)
3.5
「ヘンリー五世」

本作は「ハリー・ポッター」シリーズ(秘密の部屋から)何作かに出演してきたケネス・ブラナー監督が主演まで務めた作品で、この度国内で初BD化されたのを購入して久々に鑑賞したが傑作。ローレンス・オリヴィエの再来と呼ばれるケネス・ブラナー監督が主演を演じたシェークスピア史劇の映画化で、15世紀前半の百年戦争最中の英国を舞台に、若き王ヘンリー五世の活躍を描くスペクタクル歴史超大作である。今までDVDは廃盤で、DVDの画質で見たことがなく、VHSのお粗末な映像のみだったため、今回ブルーレイの高画質、高音質で見たら、全く別物の映画のごとく凄まじい迫力があった。1989年に制作された本作は137分と2時間を超える超大作で、史実の違いもあると言う。フォルスタッフの小姓役では、今ではアカデミー賞助演男優賞受賞した若き日のクリスチャン・ベールが登場している。

音楽は本作以降数多くの映画を担当してきたパトリック・ドイルが初めて手がけた作品としても有名だ。後に「ハムレット」「マイティ・ソー」「オリエント急行殺人事件」今年公開された「ナイル殺人事件」などを手がけている。この作品はウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ヘンリー五世」を完全映画化した歴史スペクタクルとなっており、不動の人気を誇るケネス・ブラナーが3つを務めた(監督脚本主演)、シェイクスピアの世界を完全映画化した彼は、本作でアカデミー監督賞と主演男優賞にノミネートされ、ローレンス・オリヴィエの再来と絶賛されていた。共演にベイルで、オスカー女優のジュディ・デンチとエマ・トンプソンやイアン・ホルム、デレク・ジャコビ(語り手)ら確かな役者陣が脇を固めている。圧倒的に不利な戦況の中、不屈の魂で敵軍に戦いを挑むヘンリー五世の勇姿は観客の心を熱くするだろう。

さて、物語はイングランド国王ヘンリー五世はフランス国の領土所有権が自身にあると主張するが、フランス側はこれを拒否。フランスの挑発的な態度に対し、ヘンリー五世はフランス遠征を決意する。しかし、過酷な戦地での戦闘はイングランド軍を減退させていた。そして彼らの前に立ちはだかるのは6万もの大軍。ヘンリー五世は逆境の中、兵士たちを鼓舞するのだった。そして運命の戦いの火蓋が切って落とされた…と簡単に説明するとこんな感じで、とにもかくにも大迫力の歴史劇になっている。もともとケネス・ブラナーは84年にロイヤルシェイクスピア・カンパニーの舞台でヘンリー五世のタイトルロールを演じたそうだ。

彼にはこの役を演じたいと言うつよい気持ちがあったみたいで、王子と言う存在について理解を深めるために、英国の皇太子であるチャールズ王子に取材をするほどの熱の入った役作りを行ったようだ。この上映は好評だったみたいで、ブラナーはこの経験をベースにして1989年に自らこの作品を監督したと言われている。ウィリアム・シェイクスピアのヘンリー五世は1599年頃に初演されたとされているようで、リチャード2世及びヘンリー4世第一部、第二部とこの物語はある。ケネスブラナーの最新作この後見に行くつもり。
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