カワサキ

タクシードライバーのカワサキのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.8
不穏な音楽をバックに、煙の中から重々しく姿を現す一台のタクシー。
変わって、サックスの哀愁あふれるジャジーなメロディとともに、ニューヨークの夜灯に照らされるデ・ニーロの鋭い眼光…。
このオープニングから、もうたまらなく大好きです。
無駄なのか必要なのか分からない、と思えば核心に入ってたりする絶妙な会話のリアリティがたまりません。その上ストーリーも全く飽きさせずスリリング。この映画で「ポール・シュレイダー」の名前を覚えました。
音楽はバーナード・ハーマンの遺作。孤独を見事に表現したスコアの数々は本当に洒落てて切なくてカッコいい。サントラ必須です。
トラヴィスという男は本当にカッコ悪い男なのですが(笑)、それを完璧に演じきっているデ・ニーロはとにかくカッコよすぎてシビれます。個人的には一番好きなデ・ニーロです。この頃の醸してる雰囲気、本当ギラギラでたまりません。
話として面白いのは言うまでもありませんが、観ているだけで「夜、街、孤独」がここまで匂い立ってくる映画は稀有だと思います。オープニングからラストシーンまで最高の作品です。
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