ヨツ

タクシードライバーのヨツのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.0
キネマ旬報の70年代外国映画ベストテン特集で一位だったので、ずっと観たい映画リストに放り込んだままだった本作を鑑賞。想像していたのと印象の違う映画で、もっと早くに見ておけばよかったと後悔。

潔癖な健全さや、もはや強迫観念なのではと思うほどの効率化や合理化への欲求に、快適さを感じながらも、ふと息苦しさを覚えたことのある人なら誰でも、静かな狂気を膨張させ、実行に移すトラヴィスに惹かれるのではないか、と思った。
戦争から帰還した先の悪の充満するきたない街で、治らない不眠症を抱えながらタクシーを走らせ続けるトラヴィスと遠く隔たった私の目には、ゴミ溜めみたいな街の、濡れた道路に反射する猥雑なネオンの光さえも美しく映る。
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