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タクシードライバーのtanakaのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
4.0
トラビス怖いわ!(笑)
初対面の人間に知った風な言動したり、初デートでポルノ映画に連れて行ったり、フラれたら逆ギレしたりと、序盤からサイコっぷりをこれでもかと見せつけられ、置き去りにされました😲(この当たりは、アーサー・ブレナー(❗)と言う実在の政治家暗殺未遂犯の日記に基づいてるらしいです💦)

同時に、こうした描写から、人間関係の構築が苦手であると言う、彼の背景も見えてきますよね。多分この人は、前述の理由から絶対的に孤独であり、それ故にエゴを肥大化させてしまった。その異常性はアイリスとの会話で剥き出しになりますが、ここでの彼は暴力の発散先を求めているかのようで、極めて自分本位にしか見えません。自身をヒーローとして、彼女を囚われのお姫様として規定する事しかしておらず、会話もどこかズレてるんですよね。事件の後日談においても、アイリスが本当に救われたのかどうかも直接的に描かれないまま、不穏なエンディングへ…。

…結局、彼がやりたかった事は自身の存在を世に知らしめる事ですよね。そう考えると、ジョーカーにおけるあの役は、何故デ・ニーロでなければならなかったのかが見えてくる気がします🧐

その他、ノワール調のカメラワークで撮影されたOP/EDや、筋肉モリモリのハーヴェイ・カイテル等、見所多数。特にデル・トロの師匠で、エクソシストの特殊メイクも担当したディック・スミスによるバイオレンス・シーンはお見事😆

それにしても、この映画が与えた影響は凄まじいですね…。1981年のレーガン大統領銃撃事件の犯人は、本作を四六時中病的に見まくったと言われる青年。また、ジョディ・フォスターは本作に触発されたファン(しかも複数)から脅迫を受け、大学卒業までFBIの保護下にあったそうです。ジョーカーの上映が危険視されたのも分かる気がします…😅
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