ワルキューリ

サイレント・ランニングのワルキューリのレビュー・感想・評価

サイレント・ランニング(1972年製作の映画)
3.7
地球の気温が一定に管理され、植物も絶えた未来。植物学者フリーマン・ローウェルは緑を甦らせるための実験用設備を備えた宇宙貨物船で、仲間とロボットとともに暮らしていた。
人工的な環境に慣れきり、自然を顧みない仲間との価値観の相違に悩んでいたローウェルだったが、地球からの実験の中止と設備の破壊命令を受け取ったことである決断を固める。

周りにいるのは自分と主義主張が合わない奴だらけ、それならいっそ皆いなくなっちまえ!
...でもやっぱり人は一人じゃ生きていけないんだよね。ロボットに名前を付け、座るように気遣い、痛みをいたわる...本来不要なはずのやりとりは滑稽でありつつ至上の愛おしさ。

結局は取り返しのつかない罪の重さに耐えきれなかったけども、自分が見捨てられた存在でなかったことはあの決断に至った確かな救いになったんだろうな。