クリーム

讃歌のクリームのレビュー・感想・評価

讃歌(1972年製作の映画)
3.8
面白かったけど、捉え方が違ったらごめんなさい。究極のSMプレイに見えた。他人事だから、興味津々で傍観したが、微塵も共感は出来ない。春琴の顔と女中の顔が白過ぎて、最初コントかと思いましたが、大真面目。「春琴抄」ってこんな話だったのか?。映像は、アート寄りで、終盤の目の絵などホドロフスキーみたいで好きでした。

春琴の女中をしていたホームにいる78歳のてるが、佐助の書いた本を頼りに語ります。春琴の家は、薬種問屋の老舗で裕福。9歳で失明も琴三弦の才能と美貌で我ままで傲慢なドSに仕上がって行く。彼女の身の回りの世話は、超ドMの佐助が全てこなします。佐助は三味線に興味を持ち、内緒で勉強していたが、バレて春琴に教えて貰う事になり、過酷な指導を受ける日々。佐助は食事、風呂から、トイレの世話までこなします。そんな中、春琴は妊娠し、女中を連れて他所で出産。赤ん坊はお金をつけて、里子に出します。



ネタバレ↓



春琴は、やがて師匠の看板を上げ、佐助と女中てると共に一戸を構えます。
弟子の中には彼女の美貌目あてに通う者もいて、利太郎もその1人だった。春琴が指導中に怒り、彼の額を傷つけた事で揉めたある夜、利太郎は寝室に忍び入り、熱湯を彼女の顔にかけた。無残な火傷の顔を佐助に見られたくないと言う春琴。佐助は、見ない為に我が眼を針で突いて、失明した。
「佐助はお師匠さまと同じ世界へ参りました。うれしく思います」と言うと春琴もそうして欲しかったと喜び、2人は今まで以上に厚く結ばれるのでした。

純愛かぁ。とは私は微塵も思わなかった。女王様と彼女に使えるドM男にしか思えなかった。
トイレの世話なんて、変態プレイに見えたし、マッサージさせてるシーンもお預けくらって喜んでる感じ。そして、子供を3人も産んだ春琴。佐助の子供以外考えられない。ちゃんとご褒美も頂いていた佐助。ただ、目潰しはどうなの?狂気の世界だった。でも感覚が鋭くなったと喜んでたからなぁ。佐助ヤバい奴だったな。春琴が、ずっと佐助に同じ世界に来て欲しいと思ってたのは、解った。凄い喜んでたし…。それはそれで怖いが…。
当人達がそれで良いなら、生活もしていけてるし、良いんじゃないか?とは思うが、日本にも古くからSMプレイは存在していたんだろうなぁ。興味深かったです。

※後で知ったAGT作品との事。
AGTとは日本アート·シアター·ギルドの略。1961年~1980年代にかけて活動した日本の映画会社。非商業主義的な芸術作品を製作·配給し、日本の映画史に多大な影響を与えたらしい。
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