三四郎

赤い蕾と白い花の三四郎のレビュー・感想・評価

赤い蕾と白い花(1962年製作の映画)
3.6
なんて爽やかな元気ハツラツ青春ものなんだ!笑
日活映画と言えば1930年代の沈痛深刻な傾向映画、真面目な芸術映画(城戸四郎云はく「ノーセンス、ノーテンポ、愚直、ノーテクニックの雲助映画」)それに1950年代後半の石原裕次郎ものしか知らなかった。
この1962年の作品は、日活の印象を180度変える非常に健康な青春映画だった。
『ヒズ・ガール・フライデー』におけるロザリンド・ラッセルの如く早口で喋り倒す吉永小百合。この聡明で愛嬌のあるおてんば娘が大人のような口を利くが、でもやっぱりまだまだ現実と向き合うと傷つき心揺れる純粋な子供。そして単純で素直で子供っぽさの抜けない健康な好感持てるボーイフレンド浜田光夫。
そのボーイフレンドの医者である父親が「あなたのそのニキビのあるおでこにキッスがしたい」と言う。ここで吉永の頭の中に浮かぶ想像シーンとして、外国の白黒映画のキスシーンや動物アニメのキスシーンが挿入される笑 父親が娘にするキッスといった感じで描かれているが、とにかくこの映画は科白も行動もストレートで日本映画というよりもアメリカの娯楽ホームドラマといった感じだ。
1960年代の映画は日活にしても松竹にしても、いろんな意味で若者の考え方や行動がぶっ飛んでいる。親の方が子供たちに翻弄されあたふたしている。
家出の書き置きは落ち着いていて愛嬌があった笑 それに浜田光夫が吉永小百合よりもおにぎりに魅力を感じるという場面もなかなかよかった。
吉永小百合(女子)がかなり積極的で、浜田光夫(男子)をリードしている。
高峰三枝子をお姫様抱っこなんて!畏れ多いが羨ましい限り笑
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