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河内山宗俊のeulogist2001のレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
2.8
音声が聞き取りにくい。娯楽作品を観てるのにストレスが溜まる一方。ストーリーも必然性に乏しく取ってつけたように思えた。数回しか会ってない甘酒屋の娘のために大の男が命を掛ける。いくらなんでもそれはないよな。ま、それがどんなはちゃめちゃでも当の映画作品の中で成立していれば良いのだが、本作にはそれは感じなかったかな。

喜劇なのか悲劇なのか人情ものなのか。チャンバラなのか男の生き様なのか。いずれも歯切れの悪い脚本。原節子もアップも少なく、立ち姿も見返り美人を意識したのかステレオタイプな演出が目立った。

伝説化されてるので期待してみたが、わたしには残念な作品でした。伝説化された作品は巨匠に対する過剰なオマージュや亡くなってしまった役者へのノスタルジー、失礼ながらオールド・ファンの自慢めいた知識のひけらかしなど、個別の作品内容そのものではないバイアスがかかってる例が多く、なかなか映画評どおりとはいかない例が多い気がする。

あくまでも個人的な感想で、オマージュやノスタルジー、豊富な知識に基づく評価を否定しているわけではございません。悪しからず。

自分の見方はあくまでも、その「作品そのものが自分にとって面白いかどうか」だけなんです。名監督、名優揃い、優れた脚本家によるものでも、つまらんものはつまらん。それが言えないような見方しか出来ないなら、それは映画を観てるのではなく「他人の評価」を観てるだけ。

こうわたしの知人が申しておりましたのを思い出しました。
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