Jimmy

第七のヴェールのJimmyのレビュー・感想・評価

第七のヴェール(1945年製作の映画)
3.6
ミステリアスな雰囲気の中、ピアニストを育てる話かと思えば恋愛ドラマ風になり、終盤はピアニスト女性が選ぶのは?…という姿を見ながら、やはり感動してしまう面白い映画だった。
コンプトン・ベネット監督作品🎥

そもそも、この映画を観よう…と思ったのは、アン・トッドのブレイク作品とのことだったからだが、それは先日『マデリーン 愛の旅路』(デヴィッド・リーン監督作)を観た時に「アン・トッドは、『第七のヴェール』で花開いた。
その後、ヒッチコックの『パラダイン夫人の恋』で不動の地位を築く。
そしてデヴィッド・リーン監督と結婚して3作品に出演して……」と説明書きがあったので、花開いたという本作を観たもの。

この映画、ある女性が病院で横たわっているが、病院を抜け出して自殺未遂をする。彼女の気持ちを知るために催眠術で彼女に語らせる…という流れになるのだが、催眠術の割には睡眠剤を使ったりして「おいおい、それって催眠術?」と思う(笑)

そして、女性の回想で物語が綴られる。
女性フランチェスカ(アン・トッド)は14歳の頃に、「またいとこ」のニコラス(ジェイムズ・メイスン)の屋敷に行き、女嫌いみたいなニコラスとは挨拶すら交わさなかったりする素っ気ない日々を過ごす。
そして、ニコラスにピアノ教育を施されてメキメキとピアノの腕を上げて行く。フランチェスカが恋をし始めるとニコラスに引き離され、ピアノ訓練。そして、フランチェスカはコンサートを開くほどのピアニストになるのだが……。

フランチェスカは、バンドマンの男・画家の男などと恋らしき雰囲気になるが、ニコラスも実はフランチェスカを好きな様子になってきて、三択のような場面での構図が「関係者みんながワンフレームに収まるショット」で描かれているあたり、なかなか見事。

そして、なんだか感動してしまうラストに、心揺らされるのが心地良かった。
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