冒頭からやってくれる。オープニングの曲も良いし、鈴木京香の雨の中のアップ、杉浦直樹の引き出しのカットその後の事件現場、音、上げりゃキリがない攻め具合。何回も止めては巻き戻して見た。編集エグくないですか?
何なんですかね、このギリギリ許せるあざとさは。実験映画好きだからかな。役者の統一も素晴らしい。
あのカモメのインサートなんて森田芳光だなあと思わされる。森田作品そんな観てないけど。
杉浦直樹はどこかイッセー尾形を思わせる。内に向いていながら強烈に外に発する。なぜこういう役者が今、イッセー尾形しかいないのか?上手いだけじゃない、人としての芝居、というのか?
江守徹と樹木希林の厚み。岸部一徳の不穏さ。素晴らしい。鈴木京香もやり過ぎずやらなさ過ぎず、設定が良い。
多重人格者と振り回される側で推し進めるかと思いきや…とてもサスペンスフルな展開で、脚本が凄い。原作読んでみたい。何より堤真一の絶妙な芝居加減が良い。
見ながらどこかCUREを思い出していた。CUREが97年、これが99年。不穏さ繋がりか?
こう言う映画も最近見ないな。だからかずっとワクワクドキドキして見られた。家族ゲームとときめきに死す見かえそう。