Kana

39 刑法第三十九条のKanaのレビュー・感想・評価

39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)
4.0
刑法第39条、罪を犯した者に責任能力がない場合、罪から逃れられる法律。
この法律を軸に、ある事件を起こした殺人鬼の精神鑑定を描く物語。
めちゃめちゃ暗く重い…そして不快感MAXの胸糞悪い映画です。
生理的に気持ち悪く、容易には受け付けられない感覚を人に与えるためにはどうすればいいのか?ということを検証実験しているような映像テクニックがすごい。
突然の不自然なカメラワークや音の断裂、狭い視野。
そして映像に引けを取らない役者さんたちの気持ちの悪い演技力に脱帽です。
樹木希林さんのリアリティがすごいと思いましたし、堤真一のあの演技もやばいですね…
気になってたけどなかなか見る勇気がなくて、見てもやっぱり胸にしこりが残りますが、すごい作品です。
ラスト2〜30分の衝撃。
日本の検察は有罪率99%とよく言われるけれど、起訴率は3割程度らしく、検挙された人のほとんどが処罰されるというわけではないようで。
どこかで聞き覚えのある深い闇に手をつけた作品です。
納得がいくかいかないかは別として、見て損はないと思いますし、考えさせられます。
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