セキ

セーラー服と機関銃のセキのレビュー・感想・評価

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)
3.9
角川映画的に展開していく物語は、いつも通り話がどこに向かってるのかわからなくなってくるのでこれはこれでエンタメになっている。
地下のシーンが芝居合戦としても画作りとしても説得力があって良かった。
この時代の男女関係の描き方はどうしてもしっくりは来ないけれど、だからこそ観た後妙に嫌な気持ちになるのがまた醍醐味なのかなとも思っている。
渡瀬恒彦ももちろんかっこいいが、柄本明と寺田農がすげえいい。
長回しで構成されたカット割も面白かった。1カットの中で人が生きようとして、死ぬというのは割ってしまっては出ない魅力があるね。後に黒沢映画へと引き継がれていく長回しの美徳が感じられました。
大味に感じられるような展開の中で、役者やカメラワークから意図せず滲み出てしまう繊細さに惹きつけられるんだろうなと思った。
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